2020年9月14日月曜日

感染症情報(2020年9月前半)

・ 急性上気道炎(かぜ)が、乳幼児〜学童の間で流行しています。主な症状は、鼻水と咳と発熱です。発熱は通常、1〜2日で軽快します。かぜの中には溶連菌感染症やアデノウイルス感染症も含まれます。発熱が続いたり咽頭痛が強かったりしたら、医療機関を受診してください。
・ 新型コロナウイルスの感染者数(大和市内)は、9月13日の時点で18名です。先月とほぼ同じペースです。感染者の多くは10〜30代で、10歳未満児の感染者はゼロです。ほとんどの方が「軽症」か「無症状」です。感染経路は「濃厚接触者」と「不明」が半々です。市内の学校や幼稚園・保育園で、クラスター(感染者集団)の発生はありません。文部科学省の全国調査(6〜8月)では、小中高生の感染源の50%以上が家族で、15%が学校でした(小学生に限ると75%が家族内感染でした)。したがって、家族の健康維持が子どもを守る上で最も大切といえます。
・ 新型コロナウイルス感染症における濃厚接触者の定義は、「感染者(発症する2日前から)と近距離(約1m以内)で長時間(15分以上)接触した場合」とされています。ただしこの定義に当てはまっても、マスクの有無、三密の状況(発声を伴う行動、対面での接触など)により、感染の可能性は大きく異なります(双方がマスクを着用し密接を避けていれば、感染の可能性は低くなります。手指消毒をしていれば、さらに可能性は低くなります)。
・ 欧米で、川崎病と新型コロナウイルス感染症の関連が疑われるケースが散見されています。しかし川崎病の基準を逸脱した重症例が多く、川崎病とは異なる病態の可能性が高いです(小児多系統炎症症候群 (MIS-C) と命名されています)。日本において、新型コロナウイルス感染後の川崎病の報告が1名ありますが、MIS-Cの報告はゼロです。MIS-Cの発生頻度には遺伝学的な(民族的な)差異があり、東洋人には少ない? と推測されています。
・ 水ぼうそう、おたふくかぜともに流行はありません。
・ 夏かぜの代表例である手足口病とヘルパンギーナは、今年の夏は流行しておらず、ほとんど診る機会がありませんでした。
・ 麻疹が散発的に出ています。今年、神奈川県で2名(全国で13名)の報告があります。風疹も散発的に出ています。今年、神奈川県で8名(全国で89名)の報告があります。麻疹、風疹ともに、感染者の多くはワクチン接種歴がないか不明の成人です。妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。昨年、4名の報告がありました。1歳と就学1年前の2回、MRワクチンを接種しましょう。成人で風疹ワクチンを一回も接種していないか、一回しか接種していない場合、ぜひ二回接種を行ってください(ただし、女性は妊娠中に接種できません。接種後2ヶ月は避妊が必要です)。風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。昨年4月から成人男性(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が開始されました。該当する方は検査とワクチンをご考慮ください。当院においても受け付けています。また大和市は、市内在住で19歳以上の女性(妊娠を希望する方。妊婦または妊娠の可能性がある方は除く)とその配偶者に対して、MRワクチン接種の一部公費助成を行っています。当院においても受け付けしています。詳細は大和市役所にお尋ねください。

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