2022年9月14日水曜日

感染症情報(2022年9月前半)

・急性上気道炎(かぜ)が乳幼児・学童の間で流行しています。主症状は鼻水と咳です。全身状態は比較的良好です。また、アデノウイルスによる急性上気道炎が一部に見られます。特徴は、口蓋扁桃の発赤・腫大と長引く(35日間の)発熱です。

・急性細気管支炎が乳幼児の間で流行しています。RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスが原因と思われます。発熱(14日間)、痰がらみの咳と喘鳴(714日間)が特徴で、いずれも長引きます。1歳前の乳児では肺炎を併発する危険があります。呼吸が苦しそうな時は早急に医療機関にご相談ください。

・手足口病の流行はピークを越えたようです。しかしまだ乳幼児の間で散見されます。一過性の発熱と四肢・口囲・口腔内の発疹(丘疹)が特徴です。基本的には無治療で治りますが、発熱が長引く時や発疹の痒み・痛みが強い時はご相談ください。

・急性胃腸炎が乳幼児・学童の間で散見されます。アデノウイルスが主原因と思われます。主症状は嘔吐、下痢、腹痛で、発熱を伴う場合もあります。

・新型コロナウイルスの大和市内での9月(14日まで)の感染者数は1579名です。第7波はピークを越えました。幼稚園・学校の二学期が始まりましたが、小児の感染者の急増は現時点で報告されていません。小児の主症状は13日間の発熱と倦怠感で、咽頭痛、頭痛、咳、嘔気、下痢などを伴うことがあります。いずれも「かぜ症状」に該当します。漢方薬(麻黄湯、葛根湯など)が発熱期間の短縮にしばしば有効です。重症化率はきわめて低いですが、基礎疾患(慢性肺疾患、心疾患、腎疾患、糖尿病など)を持つ小児は要注意です。死亡例も報告されています。ワクチンには重症化阻止効果がありますので、接種を推奨いたします。小児(511歳)の3回目ワクチン接種が96日に始まりました。2回目から5ヶ月以上たてば接種できます。

・新型コロナウイルス感染症による入院理由は、アルファ株やデルタ株の流行時は肺炎・呼吸不全が圧倒的に多く、オミクロン株の流行後の現在は咽頭痛による摂食困難(若年層)と持病の悪化(高齢者層)が大部分です。現在、死亡原因の約9割は持病(心臓、肺、腎臓など)の悪化です。ウイルスの変異とワクチン接種の進展により、重症化の要因が大きく変わっています。

・新型コロナウイルス感染症の後遺症について、小児においても倦怠感、頭痛、味覚・嗅覚障害などが報告されていますが、正確な実態は判っていません。周囲の人たちが異変に気づくことが解決への第一歩になります。

・水ぼうそう、おたふくかぜの流行はありません。

・麻疹6名(神奈川県1名)、風疹8名が本年、報告されています。感染者の多くはワクチン接種歴がないか不明の成人です。妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。昨年、1名の報告がありました。1歳と就学1年前の2回、MRワクチンを接種しましょう。成人で風疹ワクチンを一回も接種していないか、一回しか接種していない場合、ぜひ二回接種を行ってください(ただし、女性は妊娠中に接種できません。接種後2ヶ月は避妊が必要です)。風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。成人男性(昭和3742日から昭和5441日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が国の施策により行われています。本制度の期限が2023331日までに延長されました。該当する方は検査とワクチン接種をご考慮ください。当院においても受け付けています。また大和市は、市内在住で19歳以上の妊娠を希望する女性(妊婦または妊娠の可能性がある方は除く)とその配偶者に対して、MRワクチン接種の一部公費助成を行っています。当院においても受け付けしています。接種前に申請が必要です。詳細は大和市役所にお尋ねください。

・小児の急性肝炎が英国を中心として欧米各国で報告されています。日本で67例が報告されています(721日、WHOによる配信)。感染者の年齢中央値は5歳です。今のところ、急速に拡大する状況ではなさそうです。アデノウイルスとの関連が疑われていますが、現時点では原因とは結論づけられていません。詳細は630日付の国立感染症研究所の報告をご参照ください(https://www.niid.go.jp/niid/ja/jissekijpn/11255-fetp-3.html)。

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