2020年2月21日金曜日

インフルエンザ速報 2019/20(第17報)

 神奈川県全域におけるインフルエンザの報告数は、2020年第7週(2月10〜16日)で5.50です(1医療機関で1週間に5.50人という意味です)。前週の7.44よりも減少しています。大和市内は6.55で、前週の5.18よりもわずかに増加しています。
 今季、11〜12月に流行があり、冬休みに一時的に沈静した後、1月下旬から小流行がありました。現在、流行は退勢に向かっていますが、一部の小中学校や幼稚園でB型が散発しています。当院には1日に1〜3人が来院します。ほとんどがB型です。
 インフルエンザは感染者の咳、くしゃみ、唾液などの飛沫を吸い込むことで感染します。咳やくしゃみが出る人は、咳エチケットを心がけましょう。特にマスク着用は必須です。待合室や診察室での感染拡大防止にご協力をお願いいたします。

2020年2月18日火曜日

感染症情報(2020年2月前半)

・かぜ(上気道炎)、溶連菌感染症、胃腸炎などが、1月中旬から再増加しています。2月中旬からスギ花粉症が増加していますので、咳やくしゃみをしている方は、かぜとの鑑別が必要です。
・インフルエンザの流行はピークを越えましたが、一部の小学校や幼稚園でB型が流行しています。大和市内で今週、8校9クラスで学級閉鎖が行われています。
・マイコプラズマによる気管支炎、肺炎が小中学生の間で散発的に発生しています。
・水ぼうそうが散発的に発生しています。おたふくかぜの流行はありません。どちらもワクチンの二回接種(初回は1歳時)をお勧めいたします。
・麻疹の流行が一段落したようです。今年、神奈川県での報告はありません(全国で4件あります)。風疹の流行が一昨年8月から続いています。今年、神奈川県で4件(全国で37件)の報告があります。流行の勢いは落ちています。麻疹、風疹ともに、感染者の多くはワクチン接種歴がないか不明の成人です。妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。昨年、4件の報告がありました。1歳と就学1年前の2回、MRワクチンを接種しましょう。成人で風疹ワクチンを一回も接種していないか、一回しか接種していない場合、ぜひ二回接種を行ってください(ただし、女性は妊娠中に接種できません。接種後2ヶ月は避妊が必要です)。風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。昨年4月から成人男性(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が開始されました。該当する方は検査とワクチンをご考慮ください。当院においても受け付けています。また大和市は、市内在住で19歳以上の女性(妊娠を希望する方。妊婦または妊娠の可能性がある方は除く)とその配偶者に対して、MRワクチン接種の一部公費助成を行っています。当院においても受け付けしています。詳細は大和市役所にお尋ねください。
・新型コロナウイルスの動向は別項を御覧ください。感染しても健康な人は軽症で済む場合が多いとされています。過剰に反応せず「正しく恐れる」ことが重要です。

重要! 新型コロナウイルスへの対応(2月21日時点)

 日本小児科学会の公式見解(院長のコラムを参照)に基づいた、新型コロナウイルスに対する一般の小児科医院の対応をお知らせいたします。
 (追記、2月24日:院長のコラム欄に第5報をアップしました)

 2月21日現在、国内での小児の感染者は10代の2名と10歳未満の2名、計4名です。いずれも重症化はしていません。
 今後、新型コロナウイルスが「市中感染」として広がれば、小児の感染者の増加は避けられません。しかし落ち着いて行動してください。新型コロナウイルス感染症の8割以上は無症状か軽症です。大事なことは1割強の重症者(または重症化しそうな人)を診断し集中治療を行うことです。軽症者が医療機関を受診しても、診断を確定する検査はできませんし (検査できる施設はきわめて限られています)、治療は通常の風邪の対症療法と同じです (コロナウイルスの特効薬はありません)。日本小児科学会は「高熱の持続や呼吸困難など肺炎を疑う症状があり入院加療が必要と考えられる場合(これは早期の受診が必要)を除き、新型コロナウイルス感染を心配して医療機関を受診することは勧められない」と勧告しています。
 もしも風邪症状や発熱が4日以上続く場合、または息苦しさ (呼吸困難) や強い倦怠感がある場合は、帰国者・接触者相談センターにご連絡ください。基礎疾患を持つ小児は、さらに早めに連絡することが勧められます。大和市域の電話番号は 046-261-2948 です。担当者が病状を聞いた上で、適切な医療機関を案内するシステムになっています。
 新型コロナウイルスの対策は、インフルエンザと同じです。接触感染と飛沫感染を避けるために、手洗いと咳エチケットを心がけましょう。感染した後の対応も、インフルエンザとほぼ同様です。安静を保つ、風邪の対症療法を行う、重症化のサイン(呼吸困難や強い倦怠感)を見逃さない、などが要点です。

2020年2月2日日曜日

新型コロナウイルス感染症(第2報)

 日本における新型コロナウイルスの感染者が20名に達しました(2月2日時点)。この先まだまだ拡大しそうな勢いです。今後の最新情報にご注意ください。正確な情報を信頼できる情報源から得ることが大切です。風説(憶測やデマ)に惑わされてパニックに陥らぬよう、十分にお気をつけください。

 新型コロナウイルス感染症に関して、現時点で判っていることを最新の英論文(New Engl J Med)から引用します。武漢市で最初に発症した425名のデータです。
・潜伏期間は4.1〜7.0日(最大でおおよそ12.5日)
・感染力は強い … 1人の感染者から1.4〜3.9人(インフルエンザと同等)
・小児の感染者は少ない … 15歳未満はゼロ。感染者の平均年齢は59歳。理由は不明

 その他の情報もあげておきます。
・重症者は少ない … 日本における死亡者はゼロ。中国の死亡率だけが突出して高い
・感染しても発症しない人(無症状病原体保有者)がいる

 新型コロナウイルスの感染様式は、感染者の咳やくしゃみの飛沫に含まれるウイルスを吸い込む「飛沫感染」と、飛沫のついたものに手を触れそこから口などに入る「接触感染」です。感染者と衣食住を共にしたり、2メートル以内で会話したりすると、感染の危険性が高まります(濃厚接触といいます)。麻疹や水痘のような「空気感染」の可能性は低く、感染者が立ち寄った場所に行くだけで感染することはまずありません。冷静に対応しましょう。

 コロナウイルスは風邪ウイルスの一つですので、一般的な風邪対策は有効です。ウイルスをうつされない(感染予防)、他人にうつさない(感染拡大予防)ための基本的な対策を以下にあげます。インフルエンザの対策とほぼ変わりありません。
・マスク着用 … 感染予防の効果は限定的です(ウイルスが通過しない特殊なサージカルマスクのみ有効です)。一方で、感染拡大予防としての効果は絶大です。当院を受診される際はマスクを必ずご着用ください。
・手洗い … 感染予防になります。20秒間ほど洗いましょう。コロナウイルスは人体を離れて物体に付着したまま24時間ほど生存できるようです。したがって、電車の釣り革、エレベーターのボタンに触れた後など、こまめに手洗いするとよいです。アルコール消毒も有効です。
・うがい … 効果は限定的ですが、感染予防になります。こまめにしましょう。
・十分な休息と睡眠 … これが風邪対策の基本です。実は非常に重要です。

 神奈川県は新型コロナウイルスに関する電話相談窓口を設けました。連絡先は045-285-0536です。平日8時30分から17時15分、土日休日10時から16時に受け付けています。

 発熱と呼吸器症状があって、武漢市への渡航歴があるか、「武漢市への渡航歴があり発熱かつ呼吸器症状を有する人」と接触歴のある人は、新型コロナウイルス感染症の疑い例になりますので、医療機関を直接受診せず、必ず事前に医療機関や保健所に電話連絡して指示を仰いでください。大和市域では厚木保健福祉事務所大和センター(046-261-2948)が電話相談の窓口になります。

追記:第三報を「院長のコラム」に掲示しました(2月12日)。ご参考になさってください。

2019年10月25日金曜日

当院のインフルエンザ治療方針(2019〜20年)、一部改訂

 当院は日本小児科学会の指針にほぼ準拠してインフルエンザの治療を行います。
・インフルエンザの重症化のリスクが高い場合(乳幼児、基礎疾患を持つ人)、抗インフルエンザ薬による治療を行います。
・リスクが高くなくても、抗インフルエンザ薬による治療を行います。ただし、インフルエンザの多くは自然治癒するため、抗インフルエンザ薬の投与は必須ではありません。
・インフルエンザの検査は、インフルエンザの診断に必須ではありません。検査の精度には限界があります(特に発症早期は偽陰性が多いです)。流行状況・接触歴や診察所見からインフルエンザと「臨床診断」する場合もあります。臨床診断にもとづいて抗インフルエンザ薬を投与する場合もあります。
・当院が推奨する抗インフルエンザ薬は、効果と安全性が確立しているタミフル、リレンザです。イナビル、ゾフルーザは小児への有効性が未確定のため、今年は使用を見合わせます。漢方薬の麻黄湯は、抗インフルエンザ薬の代替療法として有用です。
・インフルエンザ罹患中に異常行動による事故が時々報告されます。タミフルとの関連が疑われた時期がありましたが、現在では完全に否定されています。異常行動の原因は、インフルエンザウイルスによる一過性の脳炎です。インフルエンザ罹患中は、抗インフルエンザ薬の種類や服用の有無に関係なく異常行動が生じうるので、発症から少なくとも2日間は子どもを一人きりにしない、窓の鍵を確実に閉めるなど、転落や飛び出しなどの事故防止策を徹底してください(12月27日、追記)。

2019年9月26日木曜日

ロタウイルスワクチンが定期接種化されます(ただし1年後です)

 厚生労働省は、ロタウイルスワクチンを2020年10月から定期接種とする方針を決めました。原則として無料で接種できます。2020年8月以降に生まれた0歳児が対象となります。

2019年4月15日月曜日

視機能検査を導入いたします

[1] 乳幼児健診(8ヶ月児、1歳6ヶ月児)における視機能検査
 子どもの弱視は2〜3%の確率で生じます。弱視の95%は早期発見・早期治療により改善が見込まれます。
 当院は2019年4月から乳幼児健診において、機器を使用した視機能検査を実施いたします。近視、遠視、乱視、斜視、不同視、瞳孔不同を調べることができます。子どもへの身体的負担は一切ありません。また、検査にかかる費用はありません。

[2] 一般診療における視機能検査
 一般診療におきましても目に関する心配事のご相談を承ります。以下の症状が気になる方はお申し出ください。
  ・視線が合わない
  ・目の位置や動きが気になる
  ・片目を隠すと嫌がる
  ・ものを近くで見ようとする
  ・ものを見るとき、顔を傾ける
  ・ものを見るとき、目を細める
  ・ものを見るとき、上目遣いになる
  ・横目でものを見る
  ・明るい戸外で片目をつぶる
 視機能異常が疑われる場合、検査費が発生いたします。ご了承をお願い申し上げます。