2016年12月19日月曜日

ノロウイルスの検査について

 感染性胃腸炎が流行しています。例年の約三倍の患者数です。主な症状は嘔吐です。発熱、下痢、腹痛を伴うこともあります。原因の多くはノロウイルスと推測されます。

 当院はノロウイルスの検査を行っていません。理由は、検査の精度が高くないことが一つ、そしてノロウイルスであっても他のウイルスであっても治療や感染防御の方法に変わりはないことがもう一つです。ノロウイルスだけを特別視する現在の風潮は誤りです。ノロウイルス陽性だから会社や学校・幼稚園に来てはいけない、陰性だから来てもよい、という対応は医学的にまったく意味がありません。大切なことは、ノロウイルスに限らずすべての胃腸炎において、他者への感染源にならないために手洗いや消毒を徹底することです。また、嘔吐や嘔気がある方は、嘔吐物を床などに撒き散らさないために、エチケット袋を持参の上でご来院ください。

2016年9月7日水曜日

麻疹の集団発生 その対策(改訂版)

 関西空港の従業員らを中心に麻疹が集団発生し、その一部が関東地方にも拡散しています。患者の大部分がワクチン未接種者です。ただし、9月7日の時点で全国的な流行には至っておらず、過度の心配は不要と思われます。
 発熱とカタル症状(咳、鼻水、眼球結膜の充血など)が著しく、麻疹ワクチンまたはMRワクチンを接種していない方は、発症から10〜12日前の行動をよく思い出してください。もしも海外や集団発生の場所を訪れていたら、麻疹の可能性を排除できないため、直接来院せず、受診前に必ず電話連絡してください。
 1歳未満児(おおむね生後8〜9ヶ月以上)で、MRワクチンの早期接種を希望される方にはできるだけお応えしたいと思いますが、ワクチンがすでに品不足に陥っていますので、定期接種(1歳、就学前1年間)の方を優先させていただきます。ご了承ください。なお、1歳前の接種は任意接種(自費)の扱いになります。

2016年9月1日木曜日

麻疹 最新情報(9月1日)

 海外から持ち込まれた麻疹(はしか)が、関西空港を中心に拡大しています。関西空港内の誘導や受付を担う社員16名が麻疹を発症し、21名が疑い例とされています。発端者は、8月18日に麻疹と診断された20代女性のようです。
 関西空港を利用した近畿在住6名の感染も確認されています。そのうちの1人(19歳男性)は、麻疹を発症しているにもかかわらず、8月14日に幕張メッセで開かれた大規模コンサートに参加していました。後日、コンサートの参加者2名が麻疹を発症しました。
 これとは別に、8月26日、立川市のイベントホールで行われたアニメ関係のイベントに麻疹患者が参加していたことが判明しています。
 麻疹の潜伏期間は10〜12日です。麻疹ワクチンの接種歴がなく、発熱、咳、鼻水、眼球結膜の充血などを認めた場合、医療機関を受診する際は必ず事前に電話連絡してください。待合室での感染を防ぐため、裏口から入って別室で待機していただきます。
 ワクチン接種対象年齢に達している子どもは、できるだけ早くワクチンを接種しましょう。

2016年5月11日水曜日

B型肝炎ワクチンが10月1日に定期接種化されます(第三報)

 B型肝炎ワクチンの定期接種化が確定しました。
 定期接種の開始時期は「平成28年10月」です。
 定期接種の対象者は「平成28年4月以降に出生した1歳未満児」です。
 標準的な接種方法は、1回目を生後2ヶ月、2回目を生後3ヶ月、3回目を生後7〜8ヶ月(2回目から5ヶ月あける)に行い、遅くとも1歳前に終えること、とされています。
 4月以降に生まれたお子さんは、定期接種化される10月まで、ワクチンの接種を待ってもよいと思います。ただしハイリスクの場合に限り(たとえば家族内にB型肝炎の方がいる等)、任意接種の扱いであっても生後2ヶ月から始めることをお勧めいたします。

2016年4月13日水曜日

帯状疱疹を予防するワクチン

 水痘・帯状疱疹ウイルス(以下VZV)は、初感染で水痘(水ぼうそう)を発症します。水痘が治った後もVZVは消失せず、体内の神経根に潜伏します。高齢や過労などの原因で免疫能が低下するとVZVが再活性化し、帯状疱疹という皮膚の病気を発症します。

 水痘にかからなければ、将来、帯状疱疹にもかかりません。小児期に水痘ワクチンを接種することは、水痘だけでなく帯状疱疹の予防にもつながります。2016年3月から、50歳以上の方を対象に、水痘ワクチンを帯状疱疹の予防目的で接種することが正式に認可されました。水痘に以前かかったかどうかに関わらず接種できます。米国などではすでに一般化されています。任意接種の扱いですが、ぜひ接種をご検討ください。

2016年3月16日水曜日

ジカウイルス感染症とは!?

 ジカウイルス感染症が中米・南米大陸で流行しています。
 ヒトスジシマカ(日本にも棲息)やネッタイシマカなどの蚊がウイルスを運んでヒトに感染させます。
 現在、日本では流行していません。報告例は海外からの持ち込み例だけです。
 症状は、軽い発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹(斑丘疹)、結膜炎などです。一般のかぜとの区別が難しいですが、流行地への渡航歴が診断の決め手になります。
 妊娠中のジカウイルス感染と胎児の小頭症の関連が疑われているため、妊婦の渡航は控える方がよいとされています。

2016年3月11日金曜日

午後診療の受付時刻を15時に変更します

 平成28年4月、BCGワクチンが集団接種(大和市地域医療センター)から個別接種(当院も協力医療機関のひとつ)に移行します。予防接種件数が増加することに伴い、予防接種(月・火・金曜日)の時間帯を10分間延長いたします(13時50分〜15時)。
 乳幼児健診(木曜日)のご要望が多いことから、こちらも時間帯を10分間延長して予約枠を増やします(13時50分〜15時)。

 これらの措置に伴い、4月4日以降、午後診療の受付時刻を14時50分から15時に変更させて頂きます。ご了承をお願い申し上げます。

BCGワクチンの個別接種化(大和市)

 これまで集団接種で行われていたBCGワクチンが、大和市において平成28年4月から個別接種化されます。当院もワクチンを担当いたします。3月14日(月)から受付を開始いたします。

 BCGワクチンの標準的な接種時期は生後5〜8ヶ月です。四種混合ワクチンの3回目と同時に接種する方法が最適です。遅くとも1歳の誕生日までに接種をお済ませください。

 BCGの個別接種化は大和市で行われます。座間市では来年度も集団接種が継続されます。座間市在住の方は、これまでと同様に四種混合ワクチンの3回目から1週間以上あけてBCGワクチンの集団接種をお受けください。

2016年2月24日水曜日

B型肝炎ワクチンの定期接種化(第二報)

 B型肝炎ワクチンの定期接種化がほぼ確定しました。
 定期接種の開始時期は「平成28年10月」の予定です。 
 定期接種の対象者は「平成28年4月以降に出生した、1歳未満児」です。 
 標準的な接種方法は、1回目を生後2ヶ月、2回目を生後3ヶ月、3回目を生後7〜8ヶ月(2回目から5ヶ月あける)に行い、遅くとも1歳前に終えること、とされています。
 しかし、4月に出生した子どもが10月に始める定期接種を受けるためには生後6ヶ月まで接種を控えなければならず、それ以前に行うと任意接種の扱いになってしまいます。また、対象年齢外(平成28年3月までに生まれた子ども)の移行措置は、今のところ考えられていません。これらの矛盾点については継続審議中のようです。

2016年1月16日土曜日

抗インフルエンザ薬の予防投与

 家族の何方かがインフルエンザを発症した場合、抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ、イナビル)の予防投与が可能かどうか、お尋ねいただくことが時々あります。予防投与の対象者は原則として、(1) 高齢者(65歳以上)、(2) 慢性呼吸器疾患または慢性心疾患を持つ方、(3) 代謝性疾患(糖尿病など)を持つ方、(4) 腎機能障害を持つ方 に限られます。そのような場合も保険診療は適用されず、自費診療の扱いです。ただし、受験や大切なイベントを控えているなど特別な事情があれば、生来健康な方にも抗インフルエンザ薬の処方を配慮いたします。

2016年1月7日木曜日

ワクチン料金を一部引き下げます

ロタウイルスワクチンとB型肝炎ワクチンの料金を引き下げます。
ロタウイルスワクチンには、ロタリックス(2回接種)とロタテック(3回接種)の二種類があります。2または3回の合計で870〜1080円(消費税込み)の減額です。合計の金額は両者ともに同じです。
B型肝炎ワクチンには、ビームゲン(3回接種)とヘプタバックス(3回接種)の二種類があります。3回の合計で1020円(消費税込み)の減額です。
子育てに励む若い世代へのささやかな支援とご理解ください。料金改定は2016年1月8日から実施いたします。