2016年12月19日月曜日

ノロウイルスの検査について

 感染性胃腸炎が流行しています。例年の約三倍の患者数です。主な症状は嘔吐です。発熱、下痢、腹痛を伴うこともあります。原因の多くはノロウイルスと推測されます。

 当院はノロウイルスの検査を行っていません。理由は、検査の精度が高くないことが一つ、そしてノロウイルスであっても他のウイルスであっても治療や感染防御の方法に変わりはないことがもう一つです。ノロウイルスだけを特別視する現在の風潮は誤りです。ノロウイルス陽性だから会社や学校・幼稚園に来てはいけない、陰性だから来てもよい、という対応は医学的にまったく意味がありません。大切なことは、ノロウイルスに限らずすべての胃腸炎において、他者への感染源にならないために手洗いや消毒を徹底することです。また、嘔吐や嘔気がある方は、嘔吐物を床などに撒き散らさないために、エチケット袋を持参の上でご来院ください。