風疹が首都圏で急増しています。患者の多くは30〜50代の男性です。予防接種歴は、ほとんどが「不明」か「なし」です。
風疹ウイルスは咳やくしゃみの飛沫を介して感染します。2〜3週間後に発熱、発疹(紅斑)、頸部リンパ節腫脹などの症状が出ます。妊娠初期の女性が感染すると、お腹の赤ちゃんにも感染して、先天性心疾患・難聴・白内障などを起こす可能性があります。
二度の予防接種で感染を防ぎ、流行を食い止めることができます。とくに妊婦のいる家庭では、家族など周囲の人がワクチンを接種して風疹を持ち込まない配慮が必要です。
風疹抗体価の陰性または低値が予想される年代は以下の通りです。
一度も予防接種を受けていない可能性が高い年代
1979年4月1日までに生まれた男性(39歳以上)→ 特に要注意!
1962年4月1日までに生まれた女性(56歳以上)
一度しか予防接種を受けていない可能性が高い年代
1990年4月1日までに生まれた男女(28歳以上)
MRワクチン定期接種対象者(1歳児、就学前1年間の二回)は早めにワクチンを接種しましょう。母子手帳でワクチン二回接種が明らかな方、医療記録で風疹に罹患したことが明らかな方を除き、風疹に感染するリスクのある方もワクチンの接種を推奨いたします。
追記(9月6日);風疹抗体検査にかかる費用の一部を負担する神奈川県の事業は平成30年度も継続中です(平成31年3月31日まで利用できます)。風疹抗体価の検査を希望される方はお申し出ください。対象者は、妊娠を予定または希望している未経産婦、その配偶者、風疹抗体価が低い妊婦の配偶者です。ただし、過去に風疹にかかっているか、過去に風疹ワクチン(またはMRワクチン)を接種している方は、対象から外れます。
追記(9月23日);風疹患者数は今もなお増え続けており、9月19日の時点で昨年一年間の5倍を超える496人になりました。男性が401人、女性が95人です。特に30〜40代の男性に多く、ワクチンの接種歴は「なし」か「不明」が多くを占めています。患者数が1万人を超えた2012年の流行前の状況に似ています。詳細は2018年9月9日付の院長コラム「風疹ワクチンが胎児を障害から守る」をご参照ください。