どちらのワクチンも公費助成の対象です(ガーダシルは9月15日から開始)。ワクチンの選択について、ご相談に応じます。ただしガーダシルの供給量が十分でないため、当面はサーバリックスを主に接種する予定です。
サーバリックスとガーダシルは、いずれも同じワクチンを三回続けて接種する決まりになっています。ワクチンを途中で変えることはできませんので、ご注意ください。
なお、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成の対象は、中学一年から高校一年相当の女子です。今年度中(平成24年3月31日まで)に接種を完了できるように、計画をお立てください。平成23年9月30日までに1回目を接種しないと、今年度中に計3回の接種を完了することができません。来年4月以降の接種は公費助成を受けられず自己負担になりますのでご注意ください。
今年度は高校二年相当の女子も特例として公費助成の対象になります。ただし、平成23年9月30日までに1回目を接種した場合のみ、2回目以降も助成の対象になります。10月1日以降に1回目を接種した場合は、公費助成を受けられませんのでご注意ください。
なるべく早めの(9月30日までの)予約をお勧めいたします。
【追記(9月3日)】
2011年9月15日から、サーバリックス、ガーダシルの両ワクチンが、公費助成の対象になります。どちらを選んでいただくか、少々悩ましい問題が生じました。サーバリックスは、子宮頸癌の原因になる高リスク型(16、18型)のヒトパピローマウイルスを予防します。ガーダシルは、高リスク型(16、18型)に加えて、尖圭コンジローマ(性器いぼ)など性感染症の原因になる低リスク型(6、11型)のヒトパピローマウイルスも予防します。
単純に比較しますと、低リスク型(6、11型)の予防効果も併せ持つガーダシルの方が優れているように見えます。しかし高リスク型(16、18型)に対する予防効果について、サーバリックスの方が免疫抗体価の上昇が良いこと(ガーダシルの2~9倍)、他の高リスク型(31、45型)に対する交差反応が良いこと、免疫抗体価の持続期間が長いこと(ガーダシルの2倍以上)など、サーバリックスの方に軍配が上がるようです。子宮頸癌の予防に特化すれば、サーバリックスの方が優れているように見えます。ただしこれは米国の臨床データであり、日本では両者の直接比較研究は行われていません。
以上から、サーバリックス、ガーダシルには一長一短の性質があり、どちらが優れているとは一概に決められません。どちらも優れたワクチンであるというのが結論です。皆様のご希望に添ったワクチンを接種いたします。ただし、ガーダシルの発売当初は供給量が十分ではありませんので、サーバリックスをお勧めする場合もあります。ご了承ください。