2023年5月30日火曜日

感染症情報(2023年5月後半)

・急性上気道炎(かぜ)が保育所・幼稚園・小学校で大流行しています。主症状は鼻水と咳です。短期間の発熱を伴うこともあります。夏かぜのヘルパンギーナ、手足口病も散見されます。

・溶連菌、アデノウイルスによる急性上気道炎が散見されます。主症状は発熱です。

・RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスによる急性細気管支炎が散見されます。主症状は発熱、激しい咳嗽、喘鳴です。苦しそうに呼吸している場合、早めに医療機関を受診してください。

・急性胃腸炎が散見されます。主症状は嘔吐、発熱、腹痛、下痢です。嘔吐物や便に触れた手を石鹸と流水でよく洗うことが、感染拡大防止に役立ちます。

・インフルエンザは収束に向かっていますが、保育園・幼稚園・学校の小集団内で多発する事例がまだあります。今季の流行は異常に長いです。

・新型コロナウイルス感染症の再流行は今のところないようです。保育所・幼稚園・小学校での発生はほぼ見られません。当院で1週間に01(主に中高校生)です。

・水ぼうそう、おたふくかぜの流行はありません。

・今年に入り、全国で、麻疹12名(神奈川県で1名)、風疹5名が報告されています。感染者の多くはワクチン接種歴がないか不明の成人です。妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。1歳と就学1年前の2回、MRワクチンを接種しましょう。成人で風疹ワクチンを一回も接種していないか、一回しか接種していない場合、ぜひ二回接種を行ってください(ただし、女性は妊娠中に接種できません。接種後2ヶ月は避妊が必要です)。風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。成人男性(昭和3742日から昭和5441日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が国の施策により行われています。本制度の期限が2024年度まで延長されました。該当する方は検査とワクチン接種をご考慮ください。当院においても受け付けています。また大和市は、市内在住で19歳以上の妊娠を希望する女性(妊婦または妊娠の可能性がある方は除く)とその配偶者に対して、MRワクチン接種の一部公費助成を行っています。当院においても受け付けしています。接種前に申請が必要です。詳細は大和市役所にお尋ねください。

 

2023年5月21日日曜日

新型コロナワクチン情報 (72) 〜 5月21日 〜

 成人用(12歳以上)の接種は328日をもちまして終了いたしました。大和市による集団接種(12歳以上)は20234月以降も継続されています。

 小児用(511歳)には「従来型」と「オミクロン対応型」の2種類があります。従来型」は初回接種(12回目)用です。当院は428日をもちまして接種を終了いたしました。オミクロン対応型」は追加接種(3、4回目)用です。初回接種から3ヶ月以上あけて接種します。接種日時は金曜日の1430分〜1530分と土曜日の930分〜11です。予約枠を722日まで設定いたしました。

 乳幼児用(6ヶ月〜4歳)は従来型です。初回接種(12、3回目)のうち、1回目から2回目まで3週間以上の間隔、2回目から3回目まで8週間以上の間隔が必要です。接種日時は第24火曜日の930分〜11です。予約枠を725日まで設定いたしました。

当院の接種予約は「大和市予約システム」を通じて行っています。市役所ホームページをご参照ください。当院の電話や窓口での受付は行っておりません。

小児用(511歳)について、接種体制が複雑ですので以下に解説いたします。(1) 初回接種(2回)を終えていない場合、従来型を2回接種します。従来型による初回接種を終えないと、オミクロン株対応型を接種できません。当院は428日をもちまして従来型の接種を終了いたしました。(2) 従来型ワクチンで初回接種(2回)を終えている場合、2023831日までにオミクロン株対応型を接種できます(3回目)。なお、重症化リスクのある基礎疾患保有者は、57日までに3回目、さらに58日〜831日に4回目を接種できます。(3) 従来型ワクチンで初回接種2回と追加接種1回(計3回)を終えている場合、2023831日までにオミクロン株対応型を接種できます(4回目)。なお、重症化リスクのある基礎疾患保有者は、57日までに4回目、さらに58日〜831日に5回目を接種できます。当院はオミクロン対応型の接種を行っています。202391日以降開始のワクチン(使用種類は未定)は、初回接種(2回)を終えた全員が対象者となる予定です。

2023年5月13日土曜日

スギ花粉症治療薬「シダキュア(新規患者向け)」の出荷調整

 スギ花粉症の根治や症状緩和を目指す舌下免疫療法の治療薬「シダキュア」が品不足に陥り、新規患者用製剤の出荷調整が行われる事態になりました。今シーズンのスギ花粉の飛散量が多く、治療を希望する方が増え、治療薬の需要が急増したことが原因と見られています。

 シダキュアは、新たに治療を始める患者向けの製剤(2000単位)と、継続的に服用中の患者向けの製剤(5000単位)の2種類があります。今回の出荷調整の対象は、新規用の製剤(2000単位)です。すでに治療中の方への製剤(5000単位)は、滞りなく供給されますのでご安心ください。

 六月に新たに治療を始める予定の方々におかれましては、供給が再開されるまでの間、しばらくお待ちいただくことになります。ご迷惑をおかけいたし、まことに申し訳ございません。供給が再開されましたら、ホームページで直ちにお知らせいたします。

2023年5月4日木曜日

新型コロナウイルス感染症、5類移行後の変更点 (5月4日 一部追記)

 新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが2類相当から5類に変更されます(202358日)。主な変更点は以下のとおりです。

(1) 発症後5日を経過するまで外出を控えることが推奨されます

 5日目に症状が続いていたら、熱が下がり症状が軽快して24時間が経過するまで外出を控えることが推奨されます。ただし法律に基づく外出自粛は求められません。外出を控えるかどうかは個人の判断に委ねられます。


 (2) 濃厚接触者は特定されません

 法律に基づく外出自粛は求められません。感染者の発症日から5日間、自身の体調に注意を払うことが推奨されます。


 外出自粛は義務づけられませんが、発症から10日間はウイルス排出の可能性があることから、周囲への配慮として不織布マスクの着用や高齢者など重症化リスクの高い人への接触の回避が推奨されます。


  追記(5月4日):学校の感染対策に関する変更点を追記します。

(1) 感染した児童生徒の出席停止期間が「発症から5日間が経過し、かつ症状軽快後1日を経過するまで」に短縮されます。

(2) 同居家族が感染した児童生徒は、本人が感染していなければ出席停止の対象になりません。ただし、感染不安を理由に休んでも欠席として扱わない特例措置は継続されます。

(3) マスクの着用を求めないことが基本になります。

(4) 毎日の体温チェックと学校への提出、学校給食における黙食、机やドアノブの日常的な消毒、教室内での座席間隔の確保 などが不要になります。合唱、調理実習、理科実験などの感染リスクの高い活動も、近距離での発声を控え身体的距離を確保した上で実施できるようになります。