・急性上気道炎(かぜ)が流行しています。主症状は数日間続く鼻水と咳です。
・溶連菌による急性咽頭炎が幼児・学童の間で急増しています。主症状は発熱と咽頭痛です。
・RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスによる急性細気管支炎が乳幼児の間で急増しています。主症状は発熱、激しい咳、喘鳴、呼吸困難です。入院治療を要するケースもあります。
・伝染性紅斑(リンゴ病)が散見されるようになりました。主症状は頬と四肢の紅斑です。
・急性胃腸炎が散見されます。主症状は嘔吐、発熱、腹痛、下痢です。
・A型インフルエンザ、B型インフルエンザともに、ほとんど見なくなりました。神奈川県の定点医療機関における報告数は1週間に1.52人です。当院でも1週間に1〜2人です。
・新型コロナウイルス感染症も、小児の間ではほとんど見なくなりました。神奈川県の定点医療機関における報告数は1週間に3.23人です。当院では1週間に1〜2人です。
・水痘(水ぼうそう)が幼児・学童の間で散見されます。おたふくかぜの流行はありません。
・麻疹は4月21日現在、全国で21名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。増加傾向に歯止めはかかりましたが、今後も海外からの持ち込みが懸念されます。まだ要注意です。麻疹は約1000人に1人が死亡する重い病気です。感染力が非常に高く、1人の感染者から12〜18人がうつされます。インフルエンザが1〜3人ですから、麻疹の感染力の高さをご理解いただけるかと思います。
・風疹は今年、全国で3名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。成人男性(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が国の施策により行われています。本制度の期限が2024年度まで延長されました。該当する方は検査とワクチン接種をご考慮ください。当院においても受け付けています。また神奈川県は、昭和33年4月2日から昭和63年4月1日までに生まれた男性(国制度の昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までを除く)ならびに妊娠希望の女性(年齢制限なし)を対象とした抗体価測定(無料)を実施しています。こちらも当院において受け付けています。
・自身の健康を守るために、また社会に麻疹と風疹を蔓延させないために、1歳と就学1年前(5〜6歳)の計2回、麻疹・風疹(MR)ワクチンを接種しましょう。