・急性上気道炎(かぜ)は夏休み期間中、減少していました。ただし幼児と学童の間で、咳と鼻水の長引くかぜが散見されます。
・溶連菌による急性咽頭炎の流行は夏休み以来、減少しています。
・RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスによる急性細気管支炎が散見されます。主症状は発熱と激しい咳と喘鳴です。生後間もない乳児が罹ると重症化する危険があります。
・伝染性紅斑(リンゴ病)が幼児・学童の間で散見されます。主症状は頬と四肢の紅斑です。
・手足口病が幼児と学童の間で流行しています。主症状は発熱と上下肢や口囲の発疹です。
・胃腸炎が幼児・学童の間で散見されます。主症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱です。
・インフルエンザの流行はありません。当院では5月以来、患者数ゼロが続いています。
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第11波はピークを越えました。神奈川県の定点医療機関の報告数は1週間に5.85人です。幼稚園・保育園での流行はありません。家族内感染(親が発端者)のケースは散見されます。主症状は、発熱、咽頭痛、咳、鼻水です。重症化するケースは高齢者も含めて少なくなりました。急性期の症状は普通のかぜと同様ですが、まれに後遺症(味覚障害、嗅覚障害、長引く咳、倦怠感など)を生じる点が、普通のかぜと異なります。
・水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜの流行はありません。
・麻疹は今年、全国で28名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。先々週、2名の報告がありました。風疹は今年、全国で6名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。成人男性(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が国の施策により行われています。本制度の期限が2024年度まで延長されました。該当する方は検査とワクチン接種をご考慮ください。当院においても受け付けています。また神奈川県は、昭和33年4月2日から昭和63年4月1日までに生まれた男性(国制度の昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までを除く)ならびに妊娠希望の女性(年齢制限なし)を対象とした抗体価測定(無料)を実施しています。こちらも当院において受け付けています。自身の健康を守るために、また社会に麻疹と風疹を蔓延させないために、1歳と就学1年前(5〜6歳)の計2回、麻疹・風疹(MR)ワクチンを接種しましょう。
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