2024年9月10日火曜日

感染症情報(2024年9月前半)

 幼稚園と学校が二学期に入り、かぜを引く子どもたちが再び増えてきました。外来診療が混み合っていますが、当院は人数制限で患者さんをお断りする方式はとっておりません。かかりつけの方も初診の方もすべてお受けいたします。それが地域の小児医療に貢献することと考えております。どうぞお気軽にご利用ください。

・急性上気道炎(かぜ)が再び増加しています。主症状は咳と鼻水で、時に発熱を伴います。

・溶連菌による急性咽頭炎が学童の間で再び増加しています。主症状は発熱と咽頭痛です。

・RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスによる急性細気管支炎は、ほとんど見られなくなりました。流行は収束していると思われます。

・伝染性紅斑(リンゴ病)が幼児・学童の間で散見されます。主症状は頬と四肢の紅斑です。

・手足口病が幼児・学童の間で再び増加しています。主症状は発熱と四肢・口囲の発疹です。ヘルパンギーナも同様に流行しています。主症状は発熱と口内痛です。

・胃腸炎が幼児・学童の間で散見されます。主症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱です。

・インフルエンザの流行はありません。当院は5月以来、患者数ゼロが続いています。

・新型コロナウイルス感染症が成人の間で散見されます。幼稚園・小中学校での流行は報告されていません。小児の感染者の多くは家族内(成人からの)感染です。神奈川県の定点医療機関の報告数は1週間に5.73人で減少傾向にあります。主症状は、発熱、咽頭痛、咳、鼻水です。重症化するケースは高齢者も含めて少なくなりました。急性期の症状は普通のかぜと同様ですが、まれに後遺症(味覚障害、嗅覚障害、長引く咳、倦怠感など)を生じる点が、普通のかぜと異なります。

・水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ流行はありません。

・麻疹は今年、全国で28名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。風疹は今年、全国で6名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。麻疹は5001000人に1人が死亡する重篤な病気です。感染力が非常に強く、1人の感染者は1218人に感染させます(インフルエンザが1人あたり13人であることから、感染力の大きさを想像いただけると思います)。飛沫を浴びなくても、同じ部屋にいるだけで感染します。また、妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。麻疹と風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。成人男性(昭和3742日から昭和5441日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が国の施策により行われています。本制度の期限が2024年度まで延長されました。該当する方は検査とワクチン接種をご考慮ください。当院においても受け付けています。また神奈川県は、昭和3342日から昭和6341日までに生まれた男性(国制度の昭和3742日から昭和5441日までを除く)ならびに妊娠希望の女性(年齢制限なし)を対象とした抗体価測定(無料)を実施しています。こちらも当院において受け付けています。自身の健康を守るために、そして社会に麻疹と風疹を蔓延させないために、1歳と就学1年前(56歳)の計2回、麻疹・風疹(MR)ワクチンを接種しましょう。

 追記(9月14日):新型コロナウイルス感染症、A型インフルエンザの発生が大和市内の小学校で確認されました。今後の流行につながるか否か未だ分かりません。動向を注視してまいります。

2024年9月3日火曜日

インフルエンザワクチン 予約状況(9月14日)

  9月2日、7時50分にインフルエンザワクチンの予約を開始いたしました。9月14日(土)14時30分の時点で、皮下注射と経鼻を合わせまして、515名の皆様から予約をいただきました。まことにありがとうございます。

 皮下注射の予約枠は残り四分の一です。経鼻ワクチンは1名様分がございます。また、今後キャンセル等により予約枠が空きましたらホームページに随時、掲載いたします。

 ワクチン接種のご予約は現在、インターネットまたは窓口・電話で受け付けております。9月17日(火)12時をもちまして、インターネット受付を終了いたします。以後のご予約は窓口または電話(046-277-3030)でお受けいたします。

2024年9月2日月曜日

感染症情報(2024年8月)

・急性上気道炎(かぜ)は夏休み期間中、減少していました。ただし幼児と学童の間で、咳と鼻水の長引くかぜが散見されます。

・溶連菌による急性咽頭炎の流行は夏休み以来、減少しています。

・RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスによる急性細気管支炎が散見されます。主症状は発熱と激しい咳と喘鳴です。生後間もない乳児が罹ると重症化する危険があります。

・伝染性紅斑(リンゴ病)が幼児・学童の間で散見されます。主症状は頬と四肢の紅斑です。

・手足口病が幼児と学童の間で流行しています。主症状は発熱と上下肢や口囲の発疹です。

・胃腸炎が幼児・学童の間で散見されます。主症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱です。

・インフルエンザの流行はありません。当院では5月以来、患者数ゼロが続いています。

・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第11波はピークを越えました。神奈川県の定点医療機関の報告数は1週間に5.85人です。幼稚園・保育園での流行はありません。家族内感染(親が発端者)のケースは散見されます。主症状は、発熱、咽頭痛、咳、鼻水です。重症化するケースは高齢者も含めて少なくなりました。急性期の症状は普通のかぜと同様ですが、まれに後遺症(味覚障害、嗅覚障害、長引く咳、倦怠感など)を生じる点が、普通のかぜと異なります。

・水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ流行はありません。

・麻疹は今年、全国で28名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。先々週、2名の報告がありました。風疹は今年、全国で6名の報告があります(神奈川県内はゼロです)。妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。成人男性(昭和3742日から昭和5441日までに生まれた男性)を対象とした抗体価測定(無料)とワクチン接種(無料、定期接種)が国の施策により行われています。本制度の期限が2024年度まで延長されました。該当する方は検査とワクチン接種をご考慮ください。当院においても受け付けています。また神奈川県は、昭和3342日から昭和6341日までに生まれた男性(国制度の昭和3742日から昭和5441日までを除く)ならびに妊娠希望の女性(年齢制限なし)を対象とした抗体価測定(無料)を実施しています。こちらも当院において受け付けています。自身の健康を守るために、また社会に麻疹と風疹を蔓延させないために、1歳と就学1年前(56歳)の計2回、麻疹・風疹(MR)ワクチンを接種しましょう。