2018年11月21日水曜日

保育園との連携を大切にしています

 このたび「十六山病児保育室Bambini」の連携医療機関を務めることになりました。十六山病児保育室Bambiniは、満1歳から小学2年生までの病児を預かる保育施設です。保育士と看護師が常駐し、子どもの保育と看護にあたっています。当院をかかりつけにされるお母さん(お父さん)の中に、子育てと仕事を両立すべく頑張っておられる方が大勢いらっしゃいます。子どもが病気にかかっても安心して預けられる病児保育施設があれば、仕事を休むことなく勤務を全うすることができます。子育て支援は小児科医の使命のひとつです。当院は十六山病児保育室Bambiniとの連携を重視していきたいと思います。
 https://yuunoufukushikai.net/16bambini/

 また、「ふたば林間保育園」の園医を以前から務めています。ふたば林間保育園は、生後8週から就学前までの子どもを預かる保育施設です。年二回の定期健康診断を行うなど、園児の健康に関するアドバイスを行っています。働くお母さん(お父さん)の子育て支援の一環として、ふたば林間保育園との連携も重視しています。
 http://www.futaba-nursery.jp

2018年8月17日金曜日

風疹が急増しています(9月24日付 追記あり)

 風疹が首都圏で急増しています。患者の多くは30〜50代の男性です。予防接種歴は、ほとんどが「不明」か「なし」です。
 風疹ウイルスは咳やくしゃみの飛沫を介して感染します。2〜3週間後に発熱、発疹(紅斑)、頸部リンパ節腫脹などの症状が出ます。妊娠初期の女性が感染すると、お腹の赤ちゃんにも感染して、先天性心疾患・難聴・白内障などを起こす可能性があります。
 二度の予防接種で感染を防ぎ、流行を食い止めることができます。とくに妊婦のいる家庭では、家族など周囲の人がワクチンを接種して風疹を持ち込まない配慮が必要です。
 風疹抗体価の陰性または低値が予想される年代は以下の通りです。
  一度も予防接種を受けていない可能性が高い年代
   1979年4月1日までに生まれた男性(39歳以上)→ 特に要注意!
   1962年4月1日までに生まれた女性(56歳以上)
  一度しか予防接種を受けていない可能性が高い年代
   1990年4月1日までに生まれた男女(28歳以上)
 MRワクチン定期接種対象者(1歳児、就学前1年間の二回)は早めにワクチンを接種しましょう。母子手帳でワクチン二回接種が明らかな方、医療記録で風疹に罹患したことが明らかな方を除き、風疹に感染するリスクのある方もワクチンの接種を推奨いたします。

 追記(9月6日);風疹抗体検査にかかる費用の一部を負担する神奈川県の事業は平成30年度も継続中です(平成31年3月31日まで利用できます)。風疹抗体価の検査を希望される方はお申し出ください。対象者は、妊娠を予定または希望している未経産婦、その配偶者、風疹抗体価が低い妊婦の配偶者です。ただし、過去に風疹にかかっているか、過去に風疹ワクチン(またはMRワクチン)を接種している方は、対象から外れます。

 追記(9月23日);風疹患者数は今もなお増え続けており、9月19日の時点で昨年一年間の5倍を超える496人になりました。男性が401人、女性が95人です。特に30〜40代の男性に多く、ワクチンの接種歴は「なし」か「不明」が多くを占めています。患者数が1万人を超えた2012年の流行前の状況に似ています。詳細は2018年9月9日付の院長コラム「風疹ワクチンが胎児を障害から守る」をご参照ください。

2018年5月29日火曜日

就学前に百日咳ワクチンを!

 百日咳はワクチンで予防可能な疾患の一つですが、日本で2005年以降、思春期以降の感染者が増加しています。思春期や成人の方は百日咳に罹患しても軽症で済みますが、ワクチン未接種の乳児(生後3ヶ月未満)への感染源になり、重症化や死亡に至らしめる可能性があります。乳児がかかる百日咳の多くは家族内感染(親や兄姉から)です。

 思春期以降に百日咳が増えている理由は、ワクチンで得られた免疫抗体価が数年しか維持できないためです。抗体保有率は1歳前に頂点(90%)に達したあと徐々に減少し、5〜6歳で最低(25%)に下がります。この時期に百日咳ワクチンの追加接種を行うことが、以後の感染を防止するために有効です。当院は、年長児に行うMRワクチン定期接種時に、三種混合ワクチンとおたふくかぜワクチンを同時に任意接種することを推奨しています。

 欧米では、三種(または四種)混合ワクチンを5〜6回接種する方式が普通です。日本では、生後3ヶ月以降の3回と1歳時の1回の計4回だけですが、今年になって5回目の任意接種が認可されました。この機会にぜひ接種をご検討ください。

2018年4月26日木曜日

麻疹に関する注意報

 沖縄県など麻疹の流行地に旅行した後、発熱や発疹が現れた場合、医院に「麻疹の可能性が否定できない」ことを事前に電話で伝えてから指示に従ってご来院ください。麻疹の感染力は強大で、同じ空間にいるだけで(飛沫を浴びなくても)感染する危険性があります。感染拡大防止にご協力をお願いいたします。とくに、予防接種をまだ受けていない1歳未満児は注意が必要です。

2018年2月3日土曜日

午前の診療が14時まで延びたときの対応

 年に数日、主に秋冬の繁忙期に、午前の診療が長引き、予防接種/健診の開始時刻14時までに終えられないことがあります。午前の来院者数が80〜85人を超える日は、延伸する可能性が高いです。
 その場合、14時で午前の診療をいったん中断し、予防接種/健診(予約制)を先に行います。午前中に予約・受付を済まされた方は、15時頃まで院内の別室またはご自宅でお控えいただきます。予防接種/健診が終わりしだい、診療を再開いたします。また、午後に来院される方は、午前枠の診療が完了するまで、お待ちいただくことになります。
 当院は受診者数に上限を設けていないため、まれに容量オーバーに陥ることがあります。まことに恐れ入りますが、繁忙期の変則的な対応につきまして、ご理解とご了承をよろしくお願い申し上げます。

2017年9月10日日曜日

おたふくかぜで難聴336人

 9月6日に「おたふくかぜで難聴 336人」の報道がありました。日本耳鼻咽喉科学会の調査によりますと、平成27年から29年までの二年間に、おたふくかぜによる難聴(ムンプス難聴)が少なくとも336人に上ることが判明しました。うち261人が高度の難聴をきたしています。なかでも両耳ともに難聴になった14人中11人が、補聴器を使ったり人工内耳を埋め込んだりしています。
 おたふくかぜは後天性難聴の原因のトップです。おたふくかぜワクチンはいまだ定期接種化されておらず(先進国で日本が唯一!)、接種率が30〜40%と低迷しているため、いまだにムンプス難聴の報告が後を絶ちません。難聴になってから苦しむのではなく、そうなる前にワクチンをぜひ接種しましょう。

2017年3月11日土曜日

小児の二次救急医療体制が大きく変わります

 平成29年4月から、大和市立病院小児科が二次救急医療機関として、365日24時間、急病の小児を受け入れて下さいます。地域に住む子どもたちにとって、たいへんに心強い制度変更といえます。
 軽症と思われる一次救急の小児は、従来どおり大和市地域医療センター(休日夜間急患診療所)で診療いたします。そこで二次救急医療が必要と判断した場合、大和市立病院に紹介いたします。
 ぐったりして生気がない、痙攣している、呼吸が苦しそうで顔色が悪いなど、中・重症の病状が現れたら、二次救急に直接お出向き下さい。そうでない場合は、一次救急(大和市地域医療センター)をまずご利用ください。
 一次救急と二次救急を適正に使い分けることは、救急医療体制の疲弊と衰退を招かないための大事な方策です。一次か二次かの判断に迷う場合は、やまと24時間健康相談(0120-244-810)をご利用いただくと宜しいかと思います。皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。