夏かぜが小流行しています。1〜3日の発熱をきたします。咳や鼻水を伴う別種のかぜも散見されます。小児の間でインフルエンザと新型コロナ感染症の流行の情報は入っていませんが、成人の間で新型コロナ感染症の報告数が増えており、親から子に感染するケースが時折見られるようになっています。
全国で麻疹の感染者が増えています。主な年齢層は20〜30歳代ですが、乳幼児の感染も報告されています。麻疹は非常に重い病気です。医療が進んだ国でも死亡率は0.1%(1000人に1人)です。特効薬はありません。ワクチン接種が麻疹を抑える唯一の手段です。1歳の誕生日を迎えたらできるだけ早くワクチン接種を済ませましょう。幼稚園・保育園の年長児はできるだけ早く2回目のワクチン接種を済ませましょう。なお、麻疹を診療する際は特殊な隔離が必要ですので、医療機関を受診する前に必ず電話でご連絡ください。
・急性上気道炎(かぜ)が小流行しています。夏かぜの特徴は1〜3日間の発熱で、咳と鼻水はあまり目立ちません。
・溶連菌による急性咽頭炎の流行は止んでいます。通年性で見られる病気ですが、例年、夏の間は小休止します。しかし幼稚園、学校の再開とともに今後、再び増加する可能性があります。発熱と咽頭痛と発疹(紅斑)が特徴です。嘔気・嘔吐を伴うこともあります。
・アデノウイルスによる急性上気道炎が乳幼児の間で散見されます。長引く発熱が特徴です。発熱は1日の中で大きく変動します(午前に低め、午後に高めになります)。眼脂(目やに)を伴うことがあります。
・ヘルパンギーナ、手足口病(エンテロウイルス属による夏かぜの一種)は、一部の保育園で見られますが、地域全体としては流行していません。
・胃腸炎が散見されます。嘔吐、発熱、腹痛、下痢が特徴です。
・インフルエンザの流行はありません。神奈川県における定点医療機関での1週間の感染者数は0.22人です。当院で7〜8月の感染者数はゼロでした。
・新型コロナウイルス感染症が成人の間で増加しています。神奈川県における定点医療機関での1週間の感染者数は5.31人です。幼児・学童の間での流行はありませんが、成人からの感染例が時々あります。8月最終週は6名を数えました。今後、小児の間でも増える可能性があります。ご両親(のいずれか)が発熱しているときはご注意ください。中高校生以上の発熱も要注意です。主症状は、発熱、咽頭痛、咳、倦怠感です。特に現在の流行株は “非常に強い咽頭痛” が特徴です。重症化するケースは高齢者も含めて少なくなりました。急性期の症状は普通のかぜと同様ですが、稀に後遺症(味覚障害、嗅覚障害、長引く咳、倦怠感など)を生じる点が、普通のかぜと異なります。小児において感染の2〜6週後、川崎病に類似した「小児多系統炎症性症候群(MIS-C)」が稀に生じる点も、普通のかぜと異なります。警戒はやはり必要です。
・マイコプラズマは昨年後半、8年ぶりの大きな流行がありました。今年に入り流行は軽減しましたが、まだ時おり散見されます。マイコプラズマ感染症は、風邪と同じ症状(発熱、倦怠感など)で始まりますが、熱が長引いたり数日後から激しい乾いた咳が現れたりすることが特徴で、肺炎に進行するケースも少なからずあります。
・百日咳が例年以上のペースで急増しています。8月下旬までの累計患者数は66,555名で、昨年1年間の患者総数の15倍を超えました。直近の2週間で連続して減少していますが、まだ収束の兆しはありません。百日咳は、風邪と同じ症状(発熱、咳など)で始まりますが、熱が治まった後も咳が長く続きます。短い咳がコンコンコンコンと連続的に生じ、咳の終わりにヒューッと音を立てて息を吸い込む「発作性」の咳が特徴です。ただし成人が百日咳を発症しても症状は一般に軽く、普通の風邪と見分けることは困難です。百日咳ワクチン未接種の乳児がかかると重症化しやすく、命に危険が及ぶこともあります。今季は患者数の増加に伴い、乳児が重症化したり死亡したりする例が出ています。耐性菌に感染する例も報告されています。生後2ヶ月を迎えたら速やかにワクチンを接種しましょう。百日咳の詳細は「院長のコラム」(2025年4月)をご参照ください。
・RSウイルスとヒトメタニューモウイルス(急性細気管支炎の原因となるウイルス)が乳幼児の間で散見されます。強い咳き込みと喘鳴が特徴です。肺炎に進行するケースもあります。呼吸が苦しそうなときは早めにご受診ください。ヒトメタニューモウイルスの詳細は「院長のコラム」(2025年1月)をご参照ください。
・水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜの大規模な流行はありませんが、一部の保育園で散見される報告も入っています。
・麻疹は今年、全国で209名(神奈川県は40名で最多)の報告があります。風疹は今年、全国で8名(神奈川県でゼロ)の報告があります。麻疹が3月以来、都市部を中心に急増しています。昨年1年間の45人をすでに大きく超えました。7月に隣接する藤沢市で感染者が8人出る騒ぎがありましたが、大和市への波及はなく、現在は収束しています。麻疹は1000人に1人が死亡する重篤な病気です。麻疹の詳細は「院長のコラム」(2025年4月)をご参照ください。また、妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。麻疹と風疹の流行を止める唯一の手段はワクチン接種です。自身の健康を守るために、そして社会に麻疹と風疹を蔓延させないために、1歳と就学1年前(5〜6歳)の計2回、麻疹・風疹(MR)ワクチンを接種しましょう。なおワクチン不足の事態を受けて、現在2歳の方(2022年4月2日〜2023年4月1日生まれ)と今年小学校に入る方(2018年4月2日〜2019年4月1日生まれ)につきまして、接種期間が2027年3月31日まで延長されます。
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