春休み中、かぜの流行は一段落していましたが、新学年が始まり、再び増えてきました。とくに保育園での流行が顕著です。免疫能が未発達の乳幼児は、ウイルスや細菌への抵抗力が十分に備わっていません。かぜ症状が現れたら、早めにご相談ください。
麻疹の今年の累計が4月1日時点で197名に達しました。昨年の同時期の約3倍に達しています。感染者の7割は10〜30代です。推定感染地は国内が最多で、海外では東南アジアが多いです。海外からの持ち込みにより、渡航歴のない人にも発症事例が増えています。引き続き流行情報にご注意ください。
・急性上気道炎(かぜ)が再び増えています。主な症状は咳と鼻水で、発熱を伴うことがあります。
・溶連菌による急性咽頭炎が散見されます。主な症状は発熱と咽頭痛で、発疹(紅斑)を伴うことがあります。
・ノロウイルス等による胃腸炎が小流行しています。幅広い年齢層で見られます。主な症状は嘔吐、発熱、腹痛、下痢です。
・B型インフルエンザの流行は収束しました。当院で見ることはほぼ無くなりました。
・新型コロナウイルス感染症の流行はありません。神奈川県における定点医療機関での1週間の感染者数は1.34人で、2週間前(1.70人)とほぼ同レベルです。小児集団での発生はありませんが、親から子への感染がたまに見られます。主症状は、発熱、咽頭痛、咳、倦怠感です。重症化するケースは高齢者も含めて少なくなりました。
・ヒトメタニューモウイルスによる急性細気管支炎が増散見されます。強い咳き込みと喘鳴が特徴です。肺炎に進行するケースもあります。呼吸が苦しそうなときは早めにご受診ください。ヒトメタニューモウイルスの詳細は「院長のコラム」(2025年1月)をご参照ください。RSウイルスの流行は現時点でありません。妊婦向けRSウイルスワクチン(アブリスポ)が2026年4月から国の定期接種になります。生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスによる重い呼吸器感染症(細気管支炎や肺炎)から守る「母子免疫ワクチン」です。ワクチン接種により母親の体内でRSウイルスに対する免疫抗体が作られ、それが胎盤を通して赤ちゃんに移行することで効果を発揮します。現在も任意接種で使用できます。妊娠24週から接種できますが、28〜36週が望ましいとされています。
・マイコプラズマによる呼吸器感染症が散見されます。風邪と同じ症状(発熱、倦怠感など)で始まりますが、熱が長引いたり数日後から激しい乾いた咳が現れたりすることがあります。肺炎に進行するケースもときにあります。
・百日咳が10代以下の小児の間で散見されます。風邪と同じ症状(発熱、咳など)で始まりますが、熱が治まった後も咳が長く続きます。短い咳がコンコンコンコンと連続的に生じ、咳の終わりにヒューッと音を立てて息を吸い込む「発作性」の咳が特徴です。ただし成人が百日咳を発症しても症状は一般に軽く、普通の風邪と見分けることは困難です。百日咳ワクチン未接種の乳児がかかると重症化しやすく、肺炎や脳症を併発して死亡することもあります。耐性菌に感染する例も報告されています。昨年1年間で7名の乳児の死亡が報告されました。生後2ヶ月を迎えたら速やかにワクチンを接種しましょう。同時に、周囲の人たち(きょうだい)が百日咳にかかったり家に持ち込んだりしないために、ワクチンを追加接種することも勧められます。百日咳の詳細は「院長のコラム」(2025年4月)をご参照ください。
・水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜの流行はありません。
・今年、麻疹は全国で197名(神奈川県で19名)、風疹は全国で1名(神奈川県でゼロ)の報告があります。麻疹は昨年の同時期に比べて約3倍の多さです。とくに首都圏で急増しています。海外からの持ち込みにより、国内で感染する事例も増えています。特に1歳未満児はワクチン未接種のため注意が必要です。麻疹は非常に重い病気です。医療が進んだ国でも死亡率は0.1%(1000人に1人)です。特効薬はありません。ワクチン接種が麻疹を抑える唯一の手段です。麻疹の詳細は「院長のコラム」(2025年4月)をご参照ください。麻疹を診療する際は特殊な隔離が必要ですので、医療機関を受診する前に必ず電話でご連絡ください。また、妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。麻疹と風疹の流行を止める唯一の手段はワクチン接種です。自身の健康を守るために、そして社会に麻疹と風疹を蔓延させないために、1歳と就学1年前(5〜6歳)の計2回、麻疹・風疹(MR)ワクチンを接種しましょう。なおワクチン不足の事態を受けて、現在2歳の方(2022年4月2日〜2023年4月1日生まれ)と今年小学校に入る方(2018年4月2日〜2019年4月1日生まれ)につきまして、接種期間が2027年3月31日まで延長されます。
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