2026年6月4日木曜日

感染症情報(2026年5月後半)

 アデノウイルスが5月末にかけて当院周辺で流行してきています。症状は鼻汁、咽頭痛といった上気道炎症状や、眼球結膜充血(目の赤み)です。高熱が数日から1週間続くことがあり、通常の感冒より発熱期間が長いことが特徴です。特効薬はなく、症状を和らげる対症療法が基本です。アルコール消毒が効きにくいため、石鹸での手洗いが感染拡大防止に重要です。

 症状が似ている疾患として川崎病があります。発熱が5日以上続く場合には、既にアデノウイルスと診断されている場合にも医療機関の受診をご検討ください。


 麻疹の今年の累計が5月27日時点で511名に達しました。流行のペースは4月後半〜5月前半の一時期より下火とはなっていますが、現在も東京都を中心に感染者は増えています。神奈川県も47都道県中2位の感染者数です。感染拡大を防ぐために最も大切なことは、小児は2回のMRワクチン定期接種を確実に受けることです。さらに、免疫が足りないと考えられる世代(2回接種していない20代後半から50代)は、海外に渡航したり訪日外国人に接したりする時、MRワクチンの接種が推奨されます。なお、麻疹を診療する際は特殊な隔離が必要ですので、麻疹が疑われる場合、受診する前に必ず電話でご連絡ください


 溶連菌による咽頭炎は引き続き多く発生しています。発熱、咽頭痛が主症状で、発疹や消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)を伴うことがあります。呼吸器症状(鼻汁、咳嗽)の合併は一般的に少ないと言われています。溶連菌に罹患すると、発熱から数週間(一般的に2〜4週)後に腎炎を合併することがあります。症状はむくみや活気不良、血尿です。血尿ですが、真っ赤な見た目になることは多くなく、コーラ色と称する茶褐色を呈します。見た目には分からないことがありますので、溶連菌感染後になんとなく元気がない、などの症状を認める際にはご来院ください。

 胃腸炎は流行というほどではありませんが、増えてきている印象です。嘔吐、下痢、腹痛が特徴で、時に発熱を伴います。強度の腹痛やぐったり感が強い場合は早めに受診してください。

 水痘(水ぼうそう)が散見されます。ワクチン接種済みの方は水疱が数える程度と少ないことが特徴です。これをブレークスルー水痘と呼びます。症状が分かりにくく見逃す恐れがありますので、気になる症状がある場合は電話連絡の上ご受診ください。

 新型コロナウイルス・インフルエンザの流行はありません。当院での5月の感染者数はゼロでした。次の流行に備えてください。インフルエンザの発症・重症化どちらの予防にも有効なのはワクチンのみです。接種時期が決まりましたらお知らせでお伝えいたします。

 おたふくかぜ・伝染性紅斑(リンゴ病)の流行はありません。暖かい気候となってきており、手足口病が神奈川県内で報告されるようになってきました。当院では現在のところ手足口病を疑う症状を有する方はおりません。