<第一報(10月17日)>
10月17日、岐阜県の小児科医院で、小学5年(10歳)の男児が日本脳炎ワクチンを接種したところ、直後に意識がなくなり、5分後に心肺が停止したことが報じられました。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。現在、死因の調査中で結論は得られていませんが、厚生労働省は「アナフィラキシーショック」の可能性を指摘しています。アナフィラキシーショックは、薬物(ワクチンを含む)、食物、ハチ毒などが体内に入ることで生じる急性アレルギー反応です。頻度はきわめて低いですが、いつだれに生じるかを予測することは困難です。ワクチン後30分間の観察と症状発現時の処置が重要で、当院におきましても慎重に対応してまいります。また、専門医の間で、迷走神経反射の亢進による「神経原性ショック」の可能性も指摘されています。詳細が分かりましたら、続報をお届けいたします。
19日に厚生労働省は、「ワクチンの積極的勧奨を直ちに中止することはない。まずは情報収集と事実関係の確認を進める」とのコメントを出しました。
<追記(10月23日)>
厚生労働省は、10月31日に専門家による小委員会を開催し、今後の取り扱いを検討すると発表しました。現時点でワクチンを中止することは考えられていません。従来どおり、問診と診察を慎重に行うことによって、接種の適否を決めてまいります。<第二報(10月31日)>
10月31日、厚生労働省において専門医による委員会が開かれました。死亡例を詳細に検討した結果、「現時点で接種を中止する必要はない」と結論されました。当院におきましても引き続き、日本脳炎ワクチンの接種を行います。7月に急性脳症で死亡した方は、重い基礎疾患があり、ウイルス感染症が原因と考えられました。10月に接種直後に心肺停止で死亡した方は、致死性不整脈を起こしうる薬剤三種類(本来は併用してはならない)を内服しており、注射以外にもストレス、不安などあらゆる刺激が心肺停止の原因になりうることが指摘されました。したがって、日本脳炎ワクチン以外の要因が大きいと考えられます。
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